Startuplife

自分が学生の頃にしていた就職活動を思い出すと、自分が何をしたいのか・何ができるのか、どんな会社があるのか・どんな労働環境なのか、実情はほとんど分からないまま、名前の知っている会社にエントリーシートを出し続けていたと思う。自然と、応募した大手企業の中で内定を頂いた会社の中から最終的に自分が選ぶ、という流れだった。多くの人がそうしていたし、今でもそうなんだろうと思う。

 

そんな中で、インターンをしたり、きっかけがあり見つけた会社の理念に共感し、ベンチャー企業に就職した先輩や友人の生き生きした姿を少し羨ましく思っていた部分もあった。見つけられなかった、というのは簡単で、今となっては、まだまだ自分が十分に動かず情報を得ようとしていなかったのかもしれないと感じている。当時はベンチャー企業というと、とても革新的なことをしていて、本当に情熱を持って働いている人以外には、少し「わからない」ものという印象も強かった。だから踏み込めなかった。

 

そんな私であるが、縁あって今は「スタートアップ」と呼ばれる種類の若くて小さな会社で働いている。日本ではまだまだ浸透していない言葉だ。しかし、実際には国内にはスタートアップ企業は非常に多く存在する。

 

「小さな会社」「若い会社」

 

そう聞くと、真っ先に思い浮かぶのがベンチャー企業ではないだろうか?日本ではスタートアップはベンチャー企業と混合され、乱暴な言い方をすると「若くて小さな会社」という意味で一緒くたにされてしまうことが多い。

 

しかし、日本でいう「ベンチャー企業」という呼び方は、実は和製英語であり、日本の外に一歩出てしまえば、存在しない。通じない。そして、その中には実際にはスタートアップに該当するものも多い。

 

そう、このボーダーレスになりつつある今日の国際舞台で、ベンチャー企業というくくり方は古いのである。実際に、世界の流れとしては、スタートアップがマーケットを変え、ビジネスのやり方を変え、私たちの生活を変えつつある。ベンチャー企業という呼び方を使い続ける日本は、その流れからどんどん取り残されつつある。

 

この記事では、簡単ではあるが、ベンチャー企業とスタートアップ企業の違いを挙げ、今後日本のスタートアップ文化をより盛り上げていくべく、スタートアップに対する理解を深めることに努める。

 

まずは、日本でしか使われていない、「ベンチャー企業」の定義を確認しておこう。この形態のビジネスは、本来、世界ではスモールビジネス(中小企業)と称される。比較的若く、規模の小さな会社ということである。規模が小さいということは、比較的風通しも良く、承認プロセスなどのスピードも速いことが多い。こういった点は後述するスタートアップとも通ずるところがある。

 

ベンチャー企業は本来、「新技術や高度な知識を軸に、大企業では実施しにくい創造的・革新的な経営を展開する中小企業」と定義されるものである。(もちろん日本独自の表現であるが。)

 

事実、日本で「ベンチャー企業」と呼ばれる小規模の会社の中にも様々なビジネスモデルが存在しており、この曖昧な分類こそが、「ベンチャー企業」という言葉の誤用と「スタートアップ」という言葉の理解拡大の妨げになっている。ただし、日本にあるほとんどの「ベンチャー企業」はあるビジネスモデルのものが多いという。それは、単なる大手企業との規模の比較で「中小企業」を意味して「ベンチャー企業」と呼ばれるものであり、創業年数が比較的少なく、歴史が浅いというものである。性質としては安定した会社運営や利益創出に向かう、既存の企業文化を持つ。既存のマーケットで既存のビジネスモデルで利益創出を図ろうとするのは、「スタートアップ」とは性質の異なるものだと言える。

それでは「スタートアップ」とは何なのか。

 

一番はっきりしているのは、「急速に成長・利益創出ができるビジネスモデルを持っていること」というところである。

 

また、市場開拓に重きを置いていたり、スタートアップのファウンダー(創業者)と呼ばれる起業家は、「新しいアイディアと技術でイノベーションを起こし、人々の生活を変える」という目的を持っていることも多い。

 

そうなると、創業年数や、従業員の数は実は「スタートアップ」と呼ぶのに直接的には関係ないのがわかる。買収やIPOなどを経てスタートアップではなくなったり、市場が答えを出しこれ以上同じくらい早いペースでの市場拡大や成長が見込めなくなったら、スタートアップではなくなる。

 

企業文化の面でスタートアップを見てみると、組織として整っていない部分もあるため、スタートアップの社員であるチームメンバーはスピード感を持って主体的に動くことが特徴的だ。自分たちの事業で利益が出ないと、自分の収入に繋がらないということを自覚しているのだ。だからこそ、スタートアップで働くということには大きなやりがいを感じられることが多い。勤続期間数ヶ月の社員とって、すべて自分次第という足がすくむほどの感覚は、決定プロセスに時間がかかる大企業や、成長スピードがそこまで早くない中小企業では、感じられないものである。そこだけ聞くと、自分にはスタートアップはハードルが高いと思ってしまう人もいるかもしれない。

 

しかし、実際にスタートアップで働きだして感じたことは、早く動けるということは、前向きな文化があるということだった。なんでもまずはやってみようという精神が根底にある。失敗が許される甘い雰囲気ということでは決してなく、うまくいかなくてもすぐに対策を練り、修正をかけ、また実行する、その繰り返しを認めあう文化があるということだ。これは、スタートアップの企業文化としてまだあまり取り上げられていない部分かもしれない。優秀な人はもちろんだが、チャレンジしたい人に向いているチーム、それがスタートアップなのだと感じる。

 

色々書いたが、まとめると、「革新的なアイディアと技術を用いて、人々の生活をより良いものに変えていくことを目的とし、マーケットを開拓しながら早いスピードで成長していく企業」がスタートアップだ。

 

言葉には馴染みがないかもしれないが、実は日本には多くの魅力的な「スタートアップ」がある。ただ彼らの多くは自らを「ベンチャー企業」と名乗っている。中小企業も聞こえがいいので「ベンチャー企業」と名乗ったりしている。だから、日本の「ベンチャー企業」も「スタートアップ」もなんだか定義が曖昧になってしまった。

 

元々、シリコンバレーから来た起業精神を引き継いだ「スタートアップ」なのだから、国内のスタートアップには堂々と自分たちを「スタートアップ」だと名乗って欲しいと思う。世界と繋がらない「ベンチャー企業」という呼び方はもう辞めよう。

 

執筆: Suzuka Eco

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