「近くて遠い」存在だった気象データを「分かりやすく、使いやすく、オープンに」提供しているスタートアップYuMake合同会社CEO佐藤拓也氏にインタビューさせていただいた。後半は、佐藤氏個人の活動と、関西のスタートアップエコシステムについてお話しいただいた。

前編はこちら

使いやすさと隣り合わせの「オープンであるということ」

有料無料にかかわらず、オープンでシェアされるものが価値を見出される方向へ時代は進んでいる。今日ではYoutuberやブロガーをはじめとする、素人や素人に近い人たちが、内容の質以上にアイディアをアクセシブル(≒わかりやすく、使いやすい)にすることで世の中に変化をもたらしている。

 

この流れの中で、従来の技術開発の分野で特権的価値を与えてきた「独占」という考え方は、外からのアクセスを遮断し、自らを孤立させ好機から遠ざけるだけなのだと佐藤氏の話を伺っていて感じた。

 

違う専門分野を掛け合わせることで生まれる新たな価値

YuMake CEOの佐藤氏は大学院で気象学を研究され、専門的な知識をお持ちだが、その知識を独占して自分と身近な人たちだけの地位や利益を確保するのではなく、知識をオープンにして多くの人に機会を提供することを軸に活動されている。多種多様なビジネスが、それぞれの持つアイディア・技術をオープンにし掛け合わせることで生まれる新たな価値が、日本の躍進の力になる推し進めるという。

 

佐藤氏の日々を覗いてみると、既得権益から分離されたスタートアップはその流れを先導していける力を持っている気がした。

 

佐藤氏個人の精力的な活動

佐藤氏はYuMakeの経営以外にもアイディアソン・ハッカソン運営、ブログ執筆・運営、ミートアップ主催など、精力的に活動されている。色々なことをやられているが、共通しているのは、アイディアをシェアする環境構築の中心にいることだ。YuMakeの事業を見ても一本筋が通っている。ソフトな笑顔の奥にはしっかりと芯がある。やっぱりかっこいいお方だ。

 

そんな気象のエキスパートは、かつては空を眺めるのが好きな少年だったという。家庭教師の先生に、気象予報士という仕事を教えてもらって、自分の純粋な興味が仕事に繋がることを知ったのが、気象の分野を追求するようになったきっかけなのだそうだ。

 

 

関西のスタートアップエコシステムの特徴

東北出身の佐藤氏は現在奈良県を拠点に、関西エリアで活動されている。関西のスタートアップエコシステムについてもお話を伺った。

 

佐藤氏によると東京の次に経済規模を誇る大阪を中心として広がるエリアは、スタートアップエコシステムとして何かまとまりをみせているとはまだ言えないという。都会なので、地域で団結しなくても機会もリソースも手に入るということなのだろうと思う。しかし、関西の主要都市には東京には今はもうない、スタートアップを始めたいと考える人たちを惹きつける1つの特徴があると言う。

 

それは、抜きん出るのに最適な環境ということだ。

ビジネスを成長させるインフラは十分に発達したいくつもの都市が役割を果たしてくれるが、東京ほどの規模はないため、その道での第一人者になれる領域がまだまだたくさんあるのだそうだ。

 

佐藤氏のアイディアと技術は東京でも引っ張りだこになると思うので謙遜も入っているとも感じたが、東京では気象×エンジニアリングの第一人者というと他にも数人いるなかで、関西エリアで気象×エンジニアリングと言えば佐藤氏という認知のされ方は、関西でスタートアップをされている大きな利点なのだそうだ。

 

抜きん出るとできるようになること

個人としても精力的に活動されている佐藤氏にとって、このエコシステムの規模と、光る立ち位置に居られるという環境がいかに大事かということがわかる。世界に変化を起こすには、自身の影響力を認知されることが一つのカギとなることは確かだ。

 

そして、どんなにSNSで場所を選ばずに世界に影響を与えられるようになってきたとは言え、例えば私たちの生活が完全にVRの世界で営まれるようになったりするまでは、必ずオフラインでの価値提供や、手の届きやすさ、親しみやすさが、その人やサービスの価値に繋がってくる。だから地域特性というのはビジネスに大きく影響してくるのである。

 

そういった意味で、大阪は、自分が変化を起こす隙間があるエコシステム=真のスタートアップエコシステムと言ってもよいのではないか。

 

実は海外からのスタートアップ人材が東京に集まるのと同じ構造

Justaに登録している多くの外国人求職者が、日本のスタートアップでの就職機会を探すのもとても理解できる。スタートアップ界では、東京は20年前のシリコンバレーと言われている。シリコンバレーの成長と変革に一歩乗り切れなかった人たちが、一攫千金の機会を求めて東京に集まっているという構図がもう出来上がっている。

 

そして今後はその流れが日本中に広がっていくのだ。自分で変化を起こしたいアイディアに溢れた人たちが、順番に東京、大阪、福岡、そしてほかの多くの都市に機会を求めて移動していき、人やビジネスやアイディアが広がっていくという流れが出来ることも、容易に想像できる。佐藤氏が、関西エリアをどんどん活性化されていくのをJustaとしてもできる限りのサポート・応援をさせていただければと思う。

 

おわりに:今後の佐藤氏の野望

これだけ毎日お忙しく精力的に活動されている佐藤氏だが、頭の中ではやりたいことが日々膨らんでいるそうだ。その中でも今後力を入れられたいのが、人材育成と環境整備だ。気象のエキスパート×エンジニアリングスキルを持った人材の育成を強化し、彼らが活躍できるような業界と労働環境の整備に努めたいと佐藤氏は満面の笑みで宣言された。これからやろうとされていることに対するワクワクした気持ちがこぼれていた。

 

本当に自分のやっていることに情熱をもって前後左右に広がっていく方だと思った。お話しさせていただいて一瞬で感じたが、人をふんわり包み込む雰囲気がある。優しい空気だ。人が寄ってきて、「何か一緒にしませんか?」と話を始めたくなる。YuMakeは、その画期的なアイディアと、確固たる技術力と、オープンさが軸にあるが、それはまさに佐藤氏の才能と人柄をスタートアップという手段で体現しているサービスだと感じた。そしてコラボプロジェクトによって、今後どこまでも成長する可能性を持っている。これからも、どんなプロジェクトを進めていかれるのか、楽しみでならない。

 

執筆:Suzuka Eco

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